「要件事実」とは

司法書士には簡易裁判所での代理権が認められていますが、この代理権を得るためには司法書士試験とは別の試験(認定考査)を受けなければなりません。

私もおととし受験し、どうなることかと思いましたが合格しました。

必ず勉強するのが「要件事実」。

自身が訴訟上(代理人として)主張する内容は、「一定の法律効果(例:債務免除)が発生するために必要な事実(例:債権者が債務者に対して免除の意思表示をしたこと)」である必要があり、これが「要件事実」だと習った記憶があります。

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そして「要件事実」についてはそれ以上深く考えていなかったのですが、こちらの岡口先生の記事によりますと、

①「要件事実」というのは「抽象的な法律要件」とする見解と「要件に当てはまる具体的な事実」を指すとの見解がある

②これまでの認定考査問題文では後者を採用していたが、民訴法学者は前者を主張

③そもそも「要件事実」という言葉自体、法律上の用語ではないので、認定考査上も法律上の用語を使用するように変更された

とのことであります。

考査での言葉の選択も重要なポイントではありますが、一部の界隈ではメジャーな「要件事実」という言葉について、このような見解の相違があるというのが驚きでした。

考えてみれば、要件事実=具体的事実を指すとした場合、抽象的な要件は何と呼べばいいのだ?という疑問も出てくるような。

それにしても、言葉一つであらぬ誤解が生じかねないこの世界、言葉選びには気を付けなければならないと改めて感じた次第です。

今日の札幌。

だいぶ雪が溶けてきました。2月は降雪量が多かったですが(特に後半)、3月は平和に過ごせるよう祈っています。

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